「3メガ銀、口座維持手数料を検討 マイナス金利で苦境」というニュースを聞いて
1年に1回くらいは私も記事を、、、kabocha夫です。
大みそかに、なんてニュースを!!!
最近、「日本は現金主義でデジタル決済が遅れている!」とか、よくニュースでやっているように感じていましたが、これに対する布石だったのですね。
ヤフーニュース(産経新聞)
3メガ銀、口座維持手数料を検討 マイナス金利で苦境
2017/12/31(日) 7:55配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00000002-san-bus_all
1.口座維持手数料が発生すると、、、
2017年12月現在、日本では、銀行にお金を預けると、半年おきに利息を受け取ることができています(利息から税金20%を引かれた額が振り込まれます。)。銀行口座を作って放置しておけば、ごくわずかですが、預金は増えることはあっても減ることはなかったのです。
ところが、口座維持手数料が発生すると、利息をもらえるどころか(もらえるかもしれませんが、現在の超低金利では、)、手数料を引かれて、どんどん預金額が減っていきます。
銀行が口座維持に費用がかかることは容易に想像がつきます。
口座管理のためのコンピュータシステムや人件費、さらに、分かりやすい費用としては、こちらの記事にあるように、
「発行済み預金通帳の冊数を数えて、1冊当たり200円の印紙税を毎年納税する」
といったところでしょうか。上記の記事も、2017/12/29にヤフーニュース(ダイヤモンドオンライン)からの配信で、この発表への布石だったのでしょう。
さて、気になる手数料は、
「個人向けは年間数百~数千円が軸とみられる。」
「現在、三井住友銀行子会社のSMBC信託銀行は、月2千円の口座維持手数料を徴収。」
とのこと。これは、さっさと銀行口座を2行のみにして、あとは早めに解約に行くしかないですね。
でも、2行選ぶとしたら、手数料を考えて、ATMが全国にある、上記の3メガバンク
(1)三菱東京UFJ銀行
(2)みずほ銀行
(3)三井住友銀行
のどれかから2つ選ぶしか選択肢がありませんね。だからその3メガバンクで口裏合わせているんでしょう。。。
下級国民は泣き寝入りするしかありません(泣)、、、
2.「マイナス金利で苦境」という記事について
マイナス金利というのは、Wikipediaの記事によると、
「2016年1月29日、日本銀行はマイナス金利政策の採用を発表した。これは民間銀行の日銀当座預金にある超過準備に対して-0.1%のマイナス金利を課すものであり、2月16日より実行される。」
とあります。
<2015年以前>
(1)「一般人Aさん」が「銀行B」にお金を10,000円預ける。
(2)「銀行B」が、「日本銀行」に、その10,000円を預ける。
(3)1年後、「日本銀行」が「銀行B」に、10,500円を返す。
(銀行Bが日本銀行にお金を預けたときの金利が5%)
(4)1年後、「一般人Aさん」は、「銀行B」から、10,500円から、銀行の手数料400円を引いた10,100円を受け取る。(一般人Aさんが銀行Bにお金を預けたときの金利が1%)
ちなみに、一般人Aさんの口座に振り込まれる利息は税金20%をひいた80円となります。
「銀行B」は、この取引で400円の利益を得ています。
2017年12月31日現在、日本は、ゼロ金利政策により、以下のような感じになっています。
<2016年2月から2017年>
(1)「一般人Aさん」が「銀行B」にお金を10,000円預ける。
(2)「銀行B」が、「日本銀行」に、その10,000円を預ける。
(預ける必要がないかもしれないが、、、)
(3)1年後、「日本銀行」が「銀行B」に、9,990円を返す。
(銀行Bが日本銀行にお金を預けたときの金利が-0.1%)
(4)1年後、「一般人Aさん」は、「銀行B」から、10,001円を受け取る。(一般人Aさんが銀行Bにお金を預けたときの金利が0.01%)(税金は20%で1円未満切り捨てなので0円)
このとき、銀行は、この取引に関しては、「11円の損」となる。
→この「11円の損」が、「マイナス金利で苦境」ということを指しているのだと思います。
しかし、「銀行B」は、「一般人Aさん」から預かった10,000円を、「日本銀行」に預ける必要などないのです。
「銀行B」は、自分で10,000円の投資先を探して、「会社C」に投資を行い、1年後に「会社C」から10,500円回収すればよいのです。
実際にはそんな優良な投資先を探すのは困難なので、2016年までは、「銀行B」は「日本銀行」にそのまま預けて、「投資」などの本来の「銀行」の業務をさぼりつつ、「日本銀行」と「一般人A」の間を取り持つだけで、手数料を受け取っていたのです。
しかし、銀行というのは民間企業ですから、利益を求めます。バブルがはじけたときには、日本国民の税金から、「公的資金投入」を受けておきながら、これが、2019年以降は、以下のようになるかもしれません。
<2019年以降こうなる?>
(1)「一般人Aさん」が「銀行B」にお金を10,000円預ける。
(2)「銀行B」が、「日本銀行」に、その10,000円を預ける。
(預ける必要がないかもしれないが、、、)
(3)1年後、「日本銀行」が「銀行B」に、9,990円を返す。
(銀行Bが日本銀行にお金を預けたときの金利が-0.1%)
(4)1年後、「一般人Aさん」は、「銀行B」から、8,000円を受け取る。
(一般人Aさんが銀行Bにお金を預けたときの金利が0%、口座維持手数料が年間2000円)(利息はないので税金はかからない。)
このとき、「銀行B」は、この取引に関しては、「1990円の得」となる。
「一般人Aさん」は、銀行に1万円預けると、1年後には8000円になってしまっています。預けない方がいいですね。
でも、一般的には、「一般人Aさん」が会社員の場合、給料振り込みのためにどうしても銀行口座が必要ですし、振り込みとかをするためにも不便なので、どこかの銀行の口座を作らざるを得ません。
上記3つの場合を表にまとめると、以下のようになります。
表1.「一般人Aさん」が「銀行B」に1万円を預けた1年後
一般人A | 銀行B | 日本銀行 | |
---|---|---|---|
2015年まで | 80円の利息 | 400円の利益 | 銀行Bに500円支払い |
2016年から2017年 | 1円の利息 | 11円の損失 | 銀行Bから10円受け取る |
2019年から? | 2000円の損 | 1990円の利益 | 銀行Bから10円受け取る |
こうなってくると、今後、お金は銀行に預けるものではなく、「ビットコイン」っぽい何かに両替して「持っておく」ものになるのかもしれません。「ビットコイン」っぽい何かとしては、
(1)手数料が安く、(ライバルは現金と、銀行の振込手数料でしょう)
(2)使いやすく、(スマホ一つで短時間で決済)
(3)信用ができる(ブロックチェーン?)
ものであることが必要になってきますが、ビットコインは決済に10分くらいかかり、手数料も非常に高いところが難点のようです。今後、どうなることやら、、、
3.銀行はカードローンの宣伝ばかりしていますが、2017年現在、苦境なのですか?
決算が赤字なの?日経平均爆上げしていると思うのだけれど、、、
それでは、メガバンク3行の、最近の決算を見てみましょう。
(1)(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】
単独決算推移
https://profile.yahoo.co.jp/independent/8306
決算期 2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
当期利益 577,656百万円 545,738百万円 553,400百万円
なんか、ここ3年間黒字だし、黒字も増えてますよ!
(2)(株)みずほフィナンシャルグループ【8411】
単独決算推移
https://profile.yahoo.co.jp/independent/8411
決算期 2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
当期利益 326,676百万円 304,389百万円 349,001百万円
こちらも思いっきり減っているわけではないようです。
(3)(株)三井住友フィナンシャルグループ【8316】
単独決算推移
https://profile.yahoo.co.jp/independent/8316
決算期 2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
当期利益 450,775百万円 527,288百万円 485,970百万円
でも1年で4507億円の黒字ですよね?
えっと、苦境なんでしょうか。。。
4.結論
口座維持手数料が発生するのであれば、下級国民としては、銀行口座は1行か2行にするしかありません。
7年前、こんな本を読んだことを思い出しました。
1ページ目の、「パーソナルファイナンスで格差社会を生き残れ!」で、
「アメリカでは、給料が小切手で渡される。口座維持手数料が払えないため銀行口座を維持できない貧民は、その小切手を現金化するために、小切手換金店で換金する。換金1万円ごとに1000円の手数料がかかり、ペイデー・ローンを組んで、永遠に利子を払い続けるが、借金は増えるばかり。。。」
という文章が衝撃的で、今でもそのときのショックだけ印象に残っています。
「3メガ銀、口座維持手数料を検討」というこのニュースを目にしたとき、この本の1ページ目を読んだ時の衝撃を思い出して、非常に嫌な思いがしました。
そんなわけで、こんな長ったらしい文章を書いてしまったわけです。
長文失礼しました。
7年前は紙の本で読みましたが、今、Kindleで購入して、これから、また、じっくり読んでみたいと思います。